- 「ロングツーリングに最適なオイルは何がいいのかな?」
- 「ロングツーリングに挑戦するけどオイルの種類や選び方を失敗したらどうしよう」
初めてのロングツーリングは、旅そのものが目的になるほど魅力的な体験です。しかしバイクでの長距離走行はエンジンに大きな負担がかかります。エンジンオイル選びを見落とすと後悔をするかもしれません。
「とりあえず入っていればいいだろう」「費用を抑えたいから安いオイルで」と思っている人はいませんか?実は、ロングツーリングではオイルの種類や粘度が、走行性能やエンジン寿命に大きな影響を与えるのです。
そこで今回は、ロングツーリングに最適なエンジンオイルの選び方や種類の違い、交換のタイミングを解説します。初心者にもわかりやすく解説していきますので参考にしてください。
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ロングツーリングではなぜオイル選びが重要なのか
ロングツーリングは普段バイクに乗るのと状況が違います。数百キロ以上を1日で走ることも珍しくありません。長時間にわたりエンジンを稼働させ続けることで、エンジンオイルにも大きな負荷がかかります。
長距離走行がエンジンに与える影響
ロングツーリングでは、高速走行や登り坂などの高回転状態が続くことが多く、エンジン内部の温度も上昇しやすくなります。こうした環境下では、オイルの劣化が早まり、潤滑性能が低下する可能性が高いです。
適切なオイル選びで得られるメリット
ロングツーリングに最適なオイルを選ぶことで、主に次の4つのようなメリットが得られます。
- エンジン内部の摩耗を抑えられるので寿命が延びる
- 高温下でも安定した潤滑と冷却が得られる
- エンジン音が静かになるので快適な走行が持続する
- 燃費の悪化を抑制できる
もし夏場にロングツーリングに行かれるのならば、特にオイルの「耐熱性」と「劣化のしにくさ」が大きなポイントとなります。走行距離が長くなるほど、エンジンオイルの性能が安全性や快適性を左右するのです。
ロングツーリングに適したオイルの種類と特徴
ロングツーリングに適切なオイルを選べばメリットが得られます。ロングツーリングでは、ただ「オイルが入っていればOK」というわけにはいきません。走行中の高温・高負荷に耐えられる性能が求められるため、オイルの「種類」や「粘度」選びが非常に重要です。
エンジンオイルの種類
エンジンオイルは主に次の3種類に分類されます。
種類 | 特徴 | ロングツーリング適性 |
---|---|---|
鉱物油 | 原油を精製して作られたベーシックなオイル、価格が安いが、「熱に弱い」「酸化しやすい」といった弱点がある | ×(短距離向け) |
部分合成油 | 鉱物油をベースに、化学的に合成された成分を加えることで性能と価格のバランスを良くしたオイル | △(中距離向け) |
化学合成油 | 化学合成ベースオイルと、「耐磨耗」「汚染防止」「耐腐食」等を増強する添加剤を混合して作られた高性能エンジンオイル、高温・長距離でも安定 | ◎(長距離向き) |
ロングツーリングには、熱や酸化に強く、長時間の運転でも安定した性能を保てる化学合成油がおすすめです。しかし3つの中では最も価格が高くなります。ただエンジンの負担を考えればコストパフォーマンスに優れているオイルです。
粘度の選び方
オイル缶に記載されている「10W-40」といった文字を見たことはありますか。これはオイルの粘度を示しています。
さらに詳しく
- 前半の数字(10W):低温時の流動性(※W=Winter)
- 後半の数字(40):高温時の粘度の高さ(エンジンが温まったときの保護性能)
ロングツーリングでは、エンジンが高温になりやすいです。できるだけ後半の数字が高めのオイルを選びましょう。上記から「10W-40」と表示されたエンジオイルは、寒冷時にもある程度スムーズに流れ、高温でも粘度が保たれるオイルと言えます。
他にも「15W-50」の表示があるオイルもおすすめです。夏場や高回転エンジン向きで、熱に強く長距離に適しています。なお、粘度はバイクの設計や使用環境によって異なります。必ず取扱説明書に記載された推奨粘度を確認し、適したオイルを選びましょう。
JASO規格の違いとは?
JASO規格は、日本自動車規格が定めた主に二輪車やディーゼルエンジン用のエンジンオイルの規格です。「クラッチ摩耗特性」を表しています。クラッチの滑りやすさを示していて、「MA、MA1、MA2、MB」の順に滑りやすくなっています。
規格 | 特徴 | 適したバイク |
---|---|---|
MA | 湿式クラッチに対応、滑りを防ぎクラッチ性能を維持 | 多くのスポーツ・ツーリングバイク |
MB | 低摩擦や燃費重視、クラッチ性能は不要なスクーターなど | 原付・スクーター |
多くのロングツーリング用バイクは湿式クラッチを採用しているため、「JASO MA」規格のオイルを選ぶのが鉄則です。
オイル交換のタイミングとツーリング前のチェックポイント
エンジンオイルの種類や粘度も重要ですが、適切なタイミングで交換することもロングツーリングでは欠かせません。出発前に、オイルの状態をしっかりと確認することで、思わぬトラブルを未然に防ぎましょう。
ロングツーリング前にオイル交換は必要?
ロングツーリングの前にオイル交換をしておくのがベストです。ロングツーリングでは、予定よりも長距離運転になることもあります。想像以上にエンジンに負荷がかかるかもしれません。交換時期が近づいている場合は迷わず交換しましょう。
また、オイル交換をすることでエンジンのフィーリングが良くなり、燃費や加速性能の改善にもつながるというメリットもあります。快適なロングツーリングにするためにも、オイル交換は事前にしておくべきです。
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チェックすべきポイント
出発前には主に次の3つのポイントを確認しておきましょう。
- オイル量:レベルゲージまたは点検窓で「適正範囲」に入っているか
- オイルの色:真っ黒でドロッとしている場合は早めの交換を推奨
- にじみや漏れ:エンジンやフィルター周辺にオイルの漏れがないか
特に長距離を走る予定を立てている人は、エンジンオイルだけでなくフィルターの交換もセットで行うとより安心です。
ツーリング後も油断せずチェックを
ツーリング後はエンジン内部のオイルが熱や摩耗でダメージを受けていることがあります。走行距離やエンジンの調子を見ながら、帰宅後にオイルの状態を再チェックし、必要に応じて早めの交換を検討しましょう。
よくある質問Q&A
ロングツーリング前後のオイル管理について、よくある質問をまとめました。参考にしてください。
ツーリング前にオイル添加剤を入れるべきですか?
基本的には不要です。高品質な全合成油であれば、添加剤を使わなくても十分な性能があります。ただし、エンジンの保護性能をさらに高めたい場合や旧型バイクでは、専用の添加剤を検討するのもおすすめです。
粘度が高いオイルを入れれば長持ちしますか?
必ずしもそうとは限りません。 粘度が高すぎるとエンジンに負担をかけることがあります。大切なのは、車種と使用環境に合った粘度を選ぶことです。メーカーが推奨する粘度を確認しましょう。
安価なオイルではだめですか?
通勤や街乗り程度なら問題ない場合もありますが、ロングツーリングではエンジンへの負荷が大きくなるため、安価な鉱物油は避けた方が無難です。もしエンジンが故障したら、最終的に高くつくこともあります。
ロングツーリングのオイルまとめ
ロングツーリングでは、エンジンにかかる負荷や熱が格段に増すため、エンジンオイル選びが快適な走行とエンジンの寿命を左右する重要な要素となります。
ツーリング前のオイル交換を忘れずに行い、出発後もこまめなチェックを心がけることで、トラブルのリスクを大幅に減らしましょう。しっかり選んで、最高のツーリングを楽しんでください。