スクーターのオイルは何を選べばいい?種類と違いを徹底解説!

オイルの基礎知識

スクーターのオイルは何を選べばいい?種類と違いを徹底解説!

  • 「スクーターのオイルって種類がいろいろあって、どれを選べばいいの?」
  • 「初めての交換、間違えると故障の原因になるって本当?」

 

スクーターのオイルランプがついたことで初めてエンジンオイルの交換に気が付く人もいます。スクーターのエンジンオイルは、バイクの寿命や走行性能に大きく関わる重要なメンテナンス項目です。しっかりと交換をしなければいけません。

 

しかしいざ交換をしようとしても「どのオイルを選べばいいの?」と悩んでしまいます。間違えてエンジンの調子を悪くしたら大変です。

 

そこで今回は、スクーターのエンジンオイルの「種類の違い」や「選び方のポイント」をわかりやすく解説します。初心者の方でも安心して読める内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

 

スクーターに使われる主なオイルの種類

 

スクーターに使われる主なオイルの種類

 

スクーターに使用するエンジンオイルにはどのような役割があるのでしょうか。最初にエンジンオイルの役割とオイルの種類を確認しておきましょう。

 

エンジンオイルとは?

 

バイクにも使用されるエンジンオイルは、エンジン内部の潤滑・冷却・清浄・防錆といった役割を果たす大切な存在です。その役割はスクーターでも例外ではありません。オイルの質や状態によって性能や燃費に大きな差が生じます。

 

2ストロークと4ストロークの違い

 

スクーターのエンジンには次の2種類があります。

  1. 2ストローク:ピストンが1往復する間に「吸気・圧縮」と「爆発・排気」の2つの工程を完了させるエンジン
  2. 4ストローク:ピストンが2往復する間に「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」の4つの工程を完了させるエンジン

 

同じ排気量で比較をした場合、上記の動作の違いにより2ストロークはエンジン自体の重さが軽く高出力です。4ストロークは燃費が良く、環境に優しいといった違いが生じています。

種類 特徴 オイルの状態
2スト 軽量・高回転・昔のスクーターに多い 燃焼と同時に消費
4スト 燃費が良い・静音性が高い・現在の主流 エンジン内部で循環

 

2ストローク用オイルと4ストローク用オイルの違い

 

2つのエンジンの違いから、オイルもそれぞれに異なります。2スト用オイルと4スト用オイルの違いを確認しておきましょう。

 

項目 2ストローク用オイル 4ストローク用オイル
使用されるエンジン 2ストロークエンジン 4ストロークエンジン
潤滑の仕組み オイルがガソリンと一緒に燃えて消費される エンジン内部で循環し、燃えない
オイル補充方法 オイルタンクに継ぎ足す(分離給油)、または燃料と混ぜる(混合給油) 規定量をエンジンに注入し、走行距離に応じて抜き替える
排気ガス 煙が出やすく臭いもあり 煙は出ず、環境負荷が小さい

 

排ガス規制により現在販売されているほとんどが4ストエンジンです。ただ中古で購入した場合や譲り受けた場合は2ストエンジンの場合もあるので確認をしておきましょう。専用のオイルを使用しないと故障の原因になります。

 

2ストと4ストの違いを簡単に解説
2ストと4ストの違いを簡単に解説

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エンジンオイルの粘度とグレード

 

エンジンオイルの粘度とグレード

 

エンジンオイルを選ぶときは、粘度とグレードにも注意しなければいけません。それぞれの表記や違いを確認しておきましょう。

 

オイルの粘度とは?

 

「粘度」とは、エンジンオイルの固さを示す指標のことです。エンジンオイルで「10W-40」という表記を見たことはありませんか。

「10W」は低温時の粘度、「40」は高温時の粘度を示しています。

さらに詳しく

  • 10W:冬(Winter)の低温時の粘度※数値が低いほど低温でエンジンがかかりやすい
  • 40:高温時の粘度※数値が高いほど、長時間走行してもエンジンをしっかり保護できる

 

夏場は高温粘度が高めのもの、冬場は低温側が小さいものを選ぶのがポイントです。ただし、メーカー指定の粘度を守ることが重要なので、説明書等で確認をしてから購入をしましょう。

 

オイルグレードとは?

 

スクーターのエンジンオイルには主に次の2種類があります。

  1. API規格:アメリカ石油協会によるエンジンオイルの品質規格
  2. JASO規格:日本自動車規格が定めた、主に二輪車やディーゼルエンジン用のエンジンオイルの規格

 

API規格は、酸化安定性や摩耗性、洗浄性など多くの基準をもとにしてグレードを定めています。「SA、SB、SC、SD・・・」と、後ろのアルファベットが進むほど性能が良くなるので注意をしましょう。種類は多いですが、メーカーが指定しているグレードを超えていれば心配はいりません。

 

JASO規格は、4ストローク二輪車用エンジンオイルの性能を分類する規格で、湿式クラッチとの適合性を示す摩擦特性も含まれます。摩擦特性により「MA(MA1、MA2)」は湿式クラッチ対応、「MB」は非対応となります。

MA系は滑りにくく設計されていますが、スクーターの多くは乾式クラッチのためMBが使われることが一般的です。

純正オイルと社外オイルの違い

 

エンジンオイル選びで悩む項目のひとつに「純正」と「社外」があります。

ココがポイント

  • 純正オイル:その車種専用に設計された安心で標準仕様
  • 社外オイル:さまざまな車種や用途に合わせて選べる自由な仕様

 

一概にどちらが正解とはいえません。ただ初めてで迷ったら、まずは純正オイルがおすすめです。慣れてきたらコスパや高性能を求めて社外も検討してみましょう。通勤など日常使いならコスパ重視の社外でもOKです。長距離やハードな使い方をするなら純正で安心を得ましょう。

比較項目 純正オイル 社外オイル
開発元 スクーターのメーカー オイル専門メーカー
エンジンとの相性 メーカー純正エンジンに最適化 車種を問わず、幅広いバイクに対応
品質のばらつき 安定している メーカーによって差がある
価格 やや高め 安価なものから高性能品まで幅広い
種類/選択肢 限られている 粘度・性能・用途など多彩

 

品質や価格に違いがあります。安いからと言って社外に手をだすと種類の多さから間違うかもしれません。社外は粘度や性能の選択肢が豊富です。JASOやAPI規格の確認をしっかりとしてから使用するようにしましょう。

 

オイル交換の目安と頻度

 

4ストロークスクーターでは、一般的に以下の頻度で交換することが推奨されています。

ココがポイント

  • 走行距離:2,000~3,000kmごと
  • 過酷な使用環境:1,000~2,000kmごと(短距離・高温・高回転など)
  • 期間:半年に1回※走らなくても劣化します

 

オイル交換時にオイルフィルターも交換が必要な車種もあります。スクーターはエンジンがコンパクトな分、オイル容量も少なく、劣化しやすい点に注意しましょう。

 

2ストロークスクーターの場合、オイルは燃焼と一緒に消費されるため、交換ではなく「継ぎ足し」が必要です。オイルタンクの残量を定期的に確認し、減ってきたら早めに補充をしましょう。2ストロークスクーターの場合も、高温時や長距離走行が続くと消費が早くなるので注意が必要です。

 

スクーターのオイル選びのポイントとまとめ

 

ここまで紹介をしてきたとおりスクーターのオイルは「何でもいい」といったわけではありません。いくつかのチェックポイントがあります。正しいオイルを使用することでエンジンの寿命が変わってくるので注意が必要です。

 

ココがポイント

  • 2ストエンジンか4ストエンジンなのかを確認
  • メーカー指定の粘度と規格を確認
  • 純正オイルと社外オイルのどちらがいいかを決める

 

まずは取扱説明書で、「エンジンの種類」「粘度」「規格」を必ずチェックをしましょう。あとは純正と社外のどちらで購入するかです。純正を選ぶと万が一の故障時にメーカーの保証対象になる可能性が高まります。また、迷わず選べるのもメリットです。

 

社外は、高性能なものもあり種類も豊富で、予算と価格が相談できます。コストパフォーマンス重視のものも多いので選ぶ楽しみがあるオイルです。自分に合ったオイルを選択しましょう。

 

今回の記事でスクーターのオイル選びについて理解が深まったはずです。交換時には、取扱説明書を確認しながら自分のスクーターに合ったオイルを選び、快適な走行を続けていきましょう。

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